さて、こまつか苗Net de夏まつりも半ばを過ぎました。
あと一回だけ作品の追加がございます。
少ないながら、わりと人気なラインナップを揃えました。
19日(木)の夜にアップしようと思います。
例によって時間はヒミツです。
「縁」がすべての世の中です。(笑)
もし手にはいらなくても、また新しい作品と出会える時をお待ちくださいね。
ところで働き者のおぴ~さんが、またまた
新作ポストカードをアップしました。
●ジャキコもの(合成じゃないのがすごい)
●おぴ~ちゃんもの
●ぽんぽんもの
こちらからショップ画面にどうぞ。↓
こまつか苗Net de夏まつり
さて、らくがきドラマ第一話、「あのときの喧嘩」最終回です。
*****
衝撃的なデビュー?を果たしたピーチは、
次の日から不良生徒たちの崇拝の対象になりました。
「姐さん、おはようございます!」
「ウイッス!」
ピーチが歩いていく先々で、暴翔族のキバタン男子たちが
エクエクと頭をあげさげしながら待っていました。
「歩きにくいき、そげんのやめちゃらんやっか?」
「はい、姐さん。」
「ところで、あの威勢のよかあんたたちの大将はどげんしたね?」
「それが・・・」
「あの事件のあとからずっと学校の屋上にこもって・・・」
「ギターを弾いてるみたいなんです。」
「ギター?」
ぴく美とピーチは気になって、そおっと屋上に上がってみました。
物かげから覗くと、たしかに庵が
ギターをかきならして歌っていました。
♪ガキの頃から悪鳥で
豪州(あっち)じゃカラス扱いさ
ダッシュ噛みでは敵なしで
触れる者はみな 血染めになった
でも おれは孤独だった
強くなればなるほどに
俺を本気で叱る者は なくなった
強い者を求めてたたかうほどに
俺はもっと孤独になった
そこに君が あらわれたのさ
マイエンジェル ピーチ
桃色に輝く君
フォーリンラブ オーイエー
ポンポンになった君の冠羽
ソー ビューティーホー♪
ピーチはびっくりしてあとずさりました。
階段の上に積み上げてあった机が、
ガタンと音をたてて崩れました。
「あっ」
庵と目があい・・・・
「△◎★・・・・・・」
意味不明なことをつぶやきながら、ピーチはその場を逃げ出しました。
「待ってよピーチ!」
ぴく美は急いであとを追いました。
その日以降、庵は学校にあらわれることはありませんでした。
「・・・・庵くんはあのあと豪州に帰って、歌手としてメジャーデビューしたって聞いたわ。
ずいぶん人気がでたみたいなんだけど、突然やめて姿を消したらしいわ。」
「ふぅん・・・・」
パパパパ、パパパパン
「あ、花火がもうすぐ終わるのね。盛大に打ち上げてるわ。
ちょっと外に出ましょうよ。」
「そうやね。」
ぴく美とピーチが外に出ると、夜空が昼のように明るくなるほどの
大輪の花火、花火。
「きれい・・・。」
やがて、煙を残して花火の音はやみ、かわりに草むらから虫の声がきこえてきました。
「ピーチ、私そろそろ帰るわ。」
ぴく美はふっとほほえんで言いました。
「お客さんよ。じゃあね。」
すこし離れたところに、カトルボーンギターを肩からさげた
キバちゃん・・・・・庵が立っていました。
花火を見終わった人たちがざわざわと歩き出す音が聞こえてきます。
「1曲、弾きましょうか。」
「そうやね・・・・ひとつ頼んでみようかいな。入りんしゃい。」
チリン。
次の季節の訪れを感じさせるような、かすかな風が・・
店先の風鈴を鳴らしてゆきました。
あのときの喧嘩・完