人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ペンギン・インコ陶つうしん

penguin10.exblog.jp
ブログトップ

野鳥のヒナをひろわないで

前の記事で拾ったヤマガラのヒナ。
結局、今朝明け方5時、最初に拾われた場所に返してきました。

おとといの夕方に近所の方から預かりました。
すぐペットショップで餌のやりかたを教わり
一晩湯たんぽであたため
翌日朝から病院に連れて行き相談しました。
最初は冷え切って声も出ず、餌もまったく受け付けなかったのですが
獣医さんに診せた前後から急にたくさん食べ、
力強い声がでるようになりました。

獣医さんは、すぐもとの場所に戻すように言いました。
今なら親が周囲を探していて
みつけて安全なところにヒナを誘導して育てるのだといいます。

家に連れて帰り、すぐにヒナを公園のしげみに置きました。
そのまま帰ればよかったのですが、行く道すがら大きなカラスがいたり、
ちょっとヤンチャな高校生が公園の前でしゃべっていたりしたので
とてもその場を離れることができず、午後の予定をすべてキャンセルして
水筒と本を持ってきて遠くから親鳥を確認するまで監視することにしました。

1時間ほどすると、ちらっとヤマガラらしき姿(つがい)が見えたように思いました。
ヒナも体を乗り出し、力いっぱい啼きはじめたのですが、突然どっかのオッチャンがあらわれ
「ほっ、ほっ!」と言いながら上半身裸になって健康体操を始めました。

野鳥のヒナをひろわないで_d0123492_10444974.jpg


オッチャンたのむわと思いながらも、あまりの盛り上がりように声もかけられず。(笑)
私がヒナを置いた場所が悪かったですね。

それから3時間ほどヒナを見守ってましたが
犬の散歩の人が増えてきたのと、今日はもう来ないと思い
連れて帰りました。

野鳥のヒナをひろわないで_d0123492_1125238.jpg


SNSで鳥の好きな人達にいろんなアドバイスや経験談を伺い、
自分に何ができるか。
そしてヒナにとって最善の道は何か。

ひと晩まんじりともせず、考え抜きました。

出した答えは、
やはり今、親が探しているうちに返す。

野鳥のヒナをひろわないで_d0123492_11255614.jpg


最初は、巣があった場所の特定ということもあるので
拾ってきた本人に戻してもらうか、
道具を貸して巣立ちまで責任を持って育ててもらうのが筋だと思いました。

でも、ヒナのことを最優先に考えると
これ以上時間を費やせば費やすほど親と会う可能性が少なくなる。
決心して、明け方4時頃餌を与えるとすぐ公園に向かいました。

ヒナは外に出すと自分から身を乗り出し、とびだしました。
場所が悪かったので、公園の柵のむこうの山の、
犬や人間の手がとどきにくい茂みにそっと置きました。

ヒナは大きな声で啼きはじめました。
うまくできてると思うのですが、茂みに入れると、保護色で
よほど目をこらさないと声はすれども姿は見えません。
すぐその場を立ち去りました。この子と親の幸運を祈ります。

家に帰ると、最初に拾った方のご家族に出会ったので
ことの顛末を話しました。

*****

野生のヒナは決して持ち帰ってはいけません。
必ず拾った本人ができるだけ早く返しましょう。
それか違法ではありますが、終生家で飼う覚悟をしましょう。
弱った野鳥は持ち帰ってはいけません。

昔はまだよかったのですが、今は鳥インフルエンザのことがあり
病院では診てもらえない場合があります。
私が今回相談に行った獣医さんも、今度ホームページを整備するのを機に
野鳥の診察を受け付けないようにするということでした。

もし鳥インフルが発生した場合、病院は閉鎖、働いている人たちも仕事ができなくなり
検査機器もすべて消毒。もし機器が壊れても病院側が全額負担しなくてはなりません。
また野鳥は飼い鳥の持っていない菌やダニを持っていることがあります。


先生はそれでも大切な命だから、駐車場の奥に小屋を建てて
野鳥をそこで診ることまで考えてみたそうですが、現実的に無理かなという結論になったそうです。

今回はたいへんつらい決断をすることにはなりましたが
私やうちの近所の人たちに、あのヒナは大きな教訓を残してくれたと思っています。
自然のおきてのなかで、力強く生き抜いてくれることを祈っています。
by kozakurapon | 2014-06-07 11:25 | わたくしごと | Trackback | Comments(8)
Commented by えりか at 2014-06-07 11:59 x
私も昔、友達が何処からか拾ってきたシジュウカラの雛を私が鳥好きだから…という理由で預けられた事がありました。
すぐに獣医さんに連れて行くと、「鳥泥棒!あんたのしたことは鳥殺しだ!」と叱られ、満足な飼育方法も教えてもらえず、どこから拾ってきたかもわからず、結局その日の晩にその雛は息を引き取り、なんともやるせない悲しい気持ちだけが残ったのを思い出しました。
野鳥と飼い鳥じゃ飼育方法も違うし、無知で(私の友達の場合)拾って来られても、本当に困るものだな…と思いました。
今回の雛ちゃんはちゃんと親鳥に見つけてもらって元気に大人になってくれるといいですね。願ってます!
Commented by よんぴー at 2014-06-07 12:12 x
文章を読んで、少し感傷的になってしまいました。
世話してしまうと情もうつってしまいますよね…
でも返したのは英断だと思います。お疲れ様でした。
雛ちゃんの強運を祈ります。
Commented by kozakurapon at 2014-06-07 12:22
えりかさん、つらい体験でしたね。拾うほうはいいことをしたと誤解してしまっているのが問題ですね。まぁその獣医さんも、飼育方法を教えないというのはいきすぎだと思いますが。
今雨がけっこう降ってきて心が苦しいです。でも誰もいない早朝に持っていったので、スムーズにみつかって移動できたと信じたいです。
Commented by kozakurapon at 2014-06-07 12:24
よんぴーさん、情がうつらないように名前もつけずにいたのですが
しっかり情はうつっております・・・。
雨が降る前に親に会えて、安全な場所にいてくれることを祈るだけです。
Commented by しましま at 2014-06-07 22:34 x
初めてコメントさせていただきます。
私も中学生くらいの時に父が拾ってきて世話をすることになったことがあります。
やはり父も色んな理由をつけて可哀想だと言っており…
その割りには投げやりで、ヒナを母と自分にわけもわからずに渡され、仕方なく練り餌をあげたりしていました。
最終的には元気がなくなり、動物病院へ…
先生に野鳥保護センターの存在を教えてもらい、ぐったりしたヒナを連れて行きましたが…

そこでヒナを拾わないで!をきちんと理解できましたが、鳥好きとしては辛い日々でした。
こちらのブログを見ていて改めて、ヒナを拾ってはいけないことを伝えなければなと考えさせられました。

最後になってしまいましたがブログとても楽しみにしています!
今後もお身体に気をつけて頑張ってください(*^^*)
Commented by kozakurapon at 2014-06-07 23:58
しましまさん、はじめまして。つたないブログを読んでくださってありがとうございます。^^
ヒナを拾ってしまうのは人情ですよね。
ぶっちゃけ自分の時間を割いてまで世話をする気はないけど
誰か親切な人に世話してもらって、自分はいいことをしたのだと信じたい。それは誰でもそうできたらラクでしょうね。
でも世話をして大きくなって自然に放たれても、自分で餌をとり、繁殖までさせることができて初めて成功といえるのではないかと私は思います。
そしてそれはプロですら難しいことは、コウノトリやトキの保護を見ていてもわかることですよね。
どんなに弱っていてかわいそうでも、野生動物にはさわらない。
日本野鳥の会はポスターやキャンペーンで繰り返し訴えていますが、
もっとテレビなどで、繰り返し正しい情報を発信してほしいなと思いますね。
Commented by ひかぼう at 2014-06-08 07:26 x
うちもメジロのヒナが雨に濡れてグッタリしているのを娘らが拾ってきまして、一晩家で保護しました。色々調べると、同じく返したほうが良い、、との事でしたので、これまた同じように少し元気になった所で、拾ったあたりに連れていきました。放してしばらくしたら、近くの木陰からなんと親と思われるメジロが子を呼びながら迎えにやってきたのです!!
丸1日以上離れていたので無理か。。と思ってましたが、親鳥の母性本能ってスゴイ!!と見ていた皆で感動しました。
あと、職場でネズミ捕りシートに全身べっちょりくっついて動けなくなったムクドリを、獣医さんに聞いてサラダ油で粘着剤を引きはがし、食器用洗剤で洗い流し、、(タンカー事故にあったペンギンの保護を思い出しました。。)ドライヤーで乾かして、助けた事もありました。これまた、あんなに触って油にまみれたので、もう、飛べないだろうし、アカンかな、、と思いましたが、次の朝、元気に飛び立っていきました!
意外にb野生の子は強いです。
ヒナちゃんの強運を祈ります!!
Commented by kozakurapon at 2014-06-08 22:21
ひかぼうさん、成功例を教えてくださってほんとにありがとう。
決心して置いてきたものの、昼すぎからけっこう強く雨が降ったので
やはりもうすこし手元に置いておけばよかったかと気持ちは揺れました。
しばらくは野鳥の姿を見ると切ない気持ちになりますが
野生の子の強さを信じることにします。