前の記事で拾ったヤマガラのヒナ。
結局、今朝明け方5時、最初に拾われた場所に返してきました。
おとといの夕方に近所の方から預かりました。
すぐペットショップで餌のやりかたを教わり
一晩湯たんぽであたため
翌日朝から病院に連れて行き相談しました。
最初は冷え切って声も出ず、餌もまったく受け付けなかったのですが
獣医さんに診せた前後から急にたくさん食べ、
力強い声がでるようになりました。
獣医さんは、すぐもとの場所に戻すように言いました。
今なら親が周囲を探していて
みつけて安全なところにヒナを誘導して育てるのだといいます。
家に連れて帰り、すぐにヒナを公園のしげみに置きました。
そのまま帰ればよかったのですが、行く道すがら大きなカラスがいたり、
ちょっとヤンチャな高校生が公園の前でしゃべっていたりしたので
とてもその場を離れることができず、午後の予定をすべてキャンセルして
水筒と本を持ってきて遠くから親鳥を確認するまで監視することにしました。
1時間ほどすると、ちらっとヤマガラらしき姿(つがい)が見えたように思いました。
ヒナも体を乗り出し、力いっぱい啼きはじめたのですが、突然どっかのオッチャンがあらわれ
「ほっ、ほっ!」と言いながら上半身裸になって健康体操を始めました。
オッチャンたのむわと思いながらも、あまりの盛り上がりように声もかけられず。(笑)
私がヒナを置いた場所が悪かったですね。
それから3時間ほどヒナを見守ってましたが
犬の散歩の人が増えてきたのと、今日はもう来ないと思い
連れて帰りました。
SNSで鳥の好きな人達にいろんなアドバイスや経験談を伺い、
自分に何ができるか。
そしてヒナにとって最善の道は何か。
ひと晩まんじりともせず、考え抜きました。
出した答えは、
やはり今、親が探しているうちに返す。
最初は、巣があった場所の特定ということもあるので
拾ってきた本人に戻してもらうか、
道具を貸して巣立ちまで責任を持って育ててもらうのが筋だと思いました。
でも、ヒナのことを最優先に考えると
これ以上時間を費やせば費やすほど親と会う可能性が少なくなる。
決心して、明け方4時頃餌を与えるとすぐ公園に向かいました。
ヒナは外に出すと自分から身を乗り出し、とびだしました。
場所が悪かったので、公園の柵のむこうの山の、
犬や人間の手がとどきにくい茂みにそっと置きました。
ヒナは大きな声で啼きはじめました。
うまくできてると思うのですが、茂みに入れると、保護色で
よほど目をこらさないと声はすれども姿は見えません。
すぐその場を立ち去りました。この子と親の幸運を祈ります。
家に帰ると、最初に拾った方のご家族に出会ったので
ことの顛末を話しました。
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野生のヒナは決して持ち帰ってはいけません。
必ず拾った本人ができるだけ早く返しましょう。
それか違法ではありますが、終生家で飼う覚悟をしましょう。
弱った野鳥は持ち帰ってはいけません。
昔はまだよかったのですが、今は鳥インフルエンザのことがあり
病院では診てもらえない場合があります。
私が今回相談に行った獣医さんも、今度ホームページを整備するのを機に
野鳥の診察を受け付けないようにするということでした。
もし鳥インフルが発生した場合、病院は閉鎖、働いている人たちも仕事ができなくなり
検査機器もすべて消毒。もし機器が壊れても病院側が全額負担しなくてはなりません。
また野鳥は飼い鳥の持っていない菌やダニを持っていることがあります。
先生はそれでも大切な命だから、駐車場の奥に小屋を建てて
野鳥をそこで診ることまで考えてみたそうですが、現実的に無理かなという結論になったそうです。
今回はたいへんつらい決断をすることにはなりましたが
私やうちの近所の人たちに、あのヒナは大きな教訓を残してくれたと思っています。
自然のおきてのなかで、力強く生き抜いてくれることを祈っています。