父とのおやこ展に向けて製作中です。
今回はあくまでも父が主役ですので
私の作品はいつもの個展ほどの量は飾れませんが
「おもろいもん作ってくれや」
という父のリクエストにこたえ(というかそういうもんしかもともと作れない)
ただいま制作中です。
ネタバレになっては面白くないですので、
何を作っているかは直前まで内緒ということであしからず。
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全然違う話題ですが・・
阪神・淡路大震災から20年が過ぎ、17日はテレビ局も特番を組み、
各地で追悼式典がひらかれたようです。
映画「神戸在住」。
同名のマンガが原作です。
マンガは震災まもない神戸の大学に、東京から入学してきた
ひとりのナイーブな女子大生が主人公。
当時の神戸の街の情景や、若者の姿がとても詳細に、上手に描かれていて
そのころに関西で青春時代を過ごした人たちには、「あるある」がいっぱい。
主人公のまわりの人々の情感あふれる描写がすばらしく
とてもいい作品です。
映画は時間設定を変え、震災を知らない女子大生の
イラストレーターへの淡い恋を描くなかで
心のどこかに震災の傷を抱えながらも懸命に生きる人々の姿を描いています。
この主人公が淡い恋心を抱くイラストレーターが作中で描くイラストを
友人のイラストレーター、タナベサオリさんが担当しています。
私もこの映画の監督ならタナベさんに頼むなあと思うくらい、イメージぴったり。
機会があればぜひご覧ください。おすすめ映画です。
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17日は震災特別番組を各テレビ局でやっていましたので
いくつか私も見たのですが
そのなかで、ひとりの被災された男性のことが今でも頭に残っています。
その男性は、震災で奥さんを亡くされました。
奥さんは倒壊した自宅の下敷きになり、生きていたのに脱出できず
火災がせまってきたのでご主人に、自分のことはかまわず逃げるように言いました。
ご主人は泣く泣くその場を離れました。
ご主人は80代くらいですが今もお元気で
毎日奥さんの仏壇に、真冬でも氷水を供えているそうです。
炎のなか、どんなに熱かっただろうと。
インタビューの最後に、その方は言いました。
「女々しい男と思われましょうが、今でも妻を慕うております。」
不思議だと思うのですが
他人同士なのに、毎日一緒に暮らしていると
もともとの家族以上の存在になる場合があります。
「慕う」という、年配の方らしい抑えた表現が
非常に心にせまるものがありました。
一緒にいると、ダンナに限らず
家族はいてあたりまえの存在になってしまいがちですが
家族との時間も、一期一会なのだと
あらためて思わせてくれた番組でした。