私は搬入日に作品を並べてしまえばヒマだったのですが、
他の作家さんや編集部のみなさんは、
初日と2日目に4階の会場でお土産バザーもあるので
その商品の準備などで大忙し。お疲れ様でした!
特別ゲストとして、海辺の街、インドラマユという所のバティック職人
アアットさんが会場でロウ描きの実演をすることになり、やってきました。
アアットさんは、かしゅうゆみこさんと組んで
たくさんの作品のロウ描きを担当しています。
「バティック」というインドネシアの伝統的な染物は
いわゆるロウケツ染めです。
ブラチュ、プリミシマなどという、バティック用の白い布にまず鉛筆で主要な柄を描きます。
それを溶かしたロウでなぞり、模様のないところに伝統柄をロウ描きします。
ロウで描いた部分は染料がつきませんので、白く残ります。
白く残したり、1回目、2回目の染料の色を残すところなどを考えながら
ロウをのせていき、染めを重ねます。
たいへん根気のいる細かい作業です。
アアットさんは小学生くらいの年頃から仕事をしていたベテランで
私より年下くらいですが、人間国宝級の腕前だそうです。
アアットさんは同じような職人さんの中でも、特にセンスがずば抜けているらしい。
かしゅうさんが急に私に白い布を渡し、
アアットさんが実演で使う布の下書きをしましょうと課題をくれました。
ええっ、急に言われても~!
と戸惑いつつ、ペンギン正面顔を丸紋のように散らして描いてみました。
早速すいすい描きはじめるアアットさん。
文様はなんの下描きもなく描きこんでいきます。
バティックのロウ描き体験をしたことのある人は、この凄さがわかるみたいです。
ペンの手元についたツボのような容器に、熱く溶かしたロウを満たして描くのですが、
フタがないので、ちょっとした角度でロウがボタボタと
布や地面に落ちて、なかなか思い通りに描けないそうです。
ロウ描きがすんだ布は、かしゅうさんの工房で染められ、後日私のところに送ってくれるそうです。
せっかくなので、9月のペンギンアート展でみなさんにお披露目したいと思います。楽しみです!
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話は前後しますが、今日は初日ということで
南極星のペンギン展・オープニングセレモニーが
会場内食堂で盛大におこなわれました。
こちらではお祝い事に、ケーキではなく
三角ライスというお祝い料理が出ます。
三角に形作ったサフランライス?の頭の部分を、主催者がすくい取ったら拍手。
お料理はバナナの葉にとりわけられて参加者にふるまわれます。
本多さん、ティガブラスさん、かしゅうさん、わたしも前に立ってそれぞれ挨拶。
私は、この展覧会に参加するきっかけについてお話ししたあと、
この国に来て一番感銘をうけたことを話しました。
それはインドネシアの人達の笑顔が本当に素敵だということ。
空港でも、ホテルでも、ギャラリーでも
出会ったインドネシアの人達はとても親切で、マニュアルじゃない笑顔で接してくれました。
今回の展示で私の作品を見ていただいて、そんな素敵な笑顔にたくさん出会えたら嬉しい、
と挨拶しました。
インドネシアの多くの人達が信仰するイスラム教は
一部の過激な思想のイメージが強いですが、もともとは平和を尊ぶ宗教で
常に他人に優しく接し、怒ることを強く戒めているそうです。
そして男性が非常に女性を大切にします。
私は滞在中、イスラムの良い面を見たように思います。
挨拶など、セレモニーが終わると、アンクルンの演奏です。
アンクルンとはインドネシアの民族楽器で
マリンバみたいな感じの竹でできた楽器です。
オルゴールみたいな、とても優しい響き。
インドネシアらしいセレモニーを体験させていただいて、とても楽しかったです。
南極星のみなさん、ありがとうございました。
初日は特にたくさんの方々に作品を見ていただきました。
フリーカップが人気で、とくにキングペンギンの「反抗期」に集中。
そしてなぜかペンギン展なのに、インドネシアのインコシリーズが人気だったのも面白かったです。
まあこの題材のカップは、まず今のところ私くらいしか描かないと思いますから、
レアだと思います。^^
長いような、短いような、初日が終わりました。