ペンギン・インコ陶つうしん

penguin10.exblog.jp
ブログトップ

うつわを継ぐということ

ただいま絶賛素焼き中。
6月末の催事までもう3週間あるかないか。頑張ります。

そんなバタバタの中ですが、
金継ぎ(簡易金継ぎ)の短期講習(全2回)に行ってまいりました。

先日の九州の地震で
大分在住の親戚の大事にしていたうつわたちが割れてしまったので
大事なものだけ、およばずながら修復する約束をしたのです。

割れたから使えないけど、自分にとって大事なうつわを持って習いにいきました。


金継ぎとは、漆と金粉を使って割れた器をつなぎ、再び使えるようにする技術です。
「本継ぎ」という、本物の金粉と本うるしを使うやりかたは、
材料費がたいへん高価なうえに、ひとつ直すのに最低1年はかかるもので、
おもに、お茶道具や高級食器に使います。

また、高度な金継ぎの技術で「呼び継ぎ」というものがあります。
同じ時代の違ううつわの破片で、色と形があうものが出てくるのを何年も待って、
じっくりと継いだ、うつわのパッチワークのようなものです。

先生が図録で見せてくださったのは、53個の陶片をあわせ、しかも継いだ金漆の部分に
波に千鳥の文様をえがいてある茶碗。
53個を継いだということで、銘は「東海道」。
なんと粋な器でしょう。

このように、いい継ぎをしたものは、さらにうつわとしての値打ちが上がることもあるのです。



私が今回習ったものは簡易のもので、接着パテと新うるし、真鍮の粉を使うものです。

本継ぎと違い、簡易金継ぎの材料は、食品衛生法にひっかかるため
本当は食事に使ううつわには使ってはいけないものです。

これは本継ぎも同じですが、決して電子レンジや食洗機に入れてはいけません。

金継ぎ教室は大盛況。みなさんそれぞれに大事なうつわを持ってきておられました。
やはり手間をかけて直そうと思うだけあって、
みなさんのうつわはどれもとても趣味のいいものでした。

とくに私の横の方のうつわのなかに、どう見ても江戸時代の錦手とおぼしきお皿が。

「それ・・簡易金継ぎで直されるんですか?」と思わず聞いてしまいました。
「いえ、今先生のお話を伺って、これだけはやはり本継ぎで直そうと思いました。」
とおっしゃって、ちょっとホッとしました。

本継ぎは、天然の材料で直すため、強固に接着したとしても
はずすことも可能で、あとからやり直すことができるのがとてもいいところです。

ただ、新しい接着剤で直すと、分子レベルまで接着してしまい、へんなふうになっても
二度とやり直すことはできません。

うつわにあわせた直し方を考えることは大切ですね。

パテを調合し、割れた部分に塗ったりのせたりして、しばらく置いて固めるところまでが初日の作業。

2回めは、固めたパテを器の形にあわせて削ってやすりでととのえ、
新うるしと真鍮粉、うすめ液を調合して作った金液を
竹箸を自分でけずって作った筆の先にのせて、表面張力をつかって伸ばしていきました。

d0123492_1821535.jpg


私が仕上げて先生に見せると、出来栄えにすごく驚かれましたが
この作業、やきものの上絵付けで和絵具を使ったことのある人間なら
できてあたりまえのことなんです。先生驚かせてすみません。^^;

私のほかにも、陶芸をされているらしき方たちは上手にされていましたが
そうでない方たちはちょっとコツがわかりにくかったようです。

金液を塗る作業以前に、私もむずかしかったのは、われた破片をつないで接着する作業。
初心者は、どちらかというと欠けた部分にパテをうめて直すほうが簡単だと思います。
お隣の方も、一枚失敗して捨てたということでした。

その方のうつわは、江戸期のもの以外も、どれも趣味のいいもので
聞くと、これは鎌倉の作家さんのもの、これは別の作家さんのもの・・と
うつわを楽しんで集めておられる様子が伝わりました。

その方の、

「なおすのは本当にたいへんだということが、今回よくわかったから
これからは一層、割ることがないように大事に使おうと思いました。」

という言葉が、とても印象にのこりました。

忙しい毎日の中、美しいうつわで食事のひとときを大切にしようとする姿勢、
そして愛着のあるうつわを捨てずに生かそうと思うこころが、美しいと思います。

しまいこまずに毎日いつくしんで使ってもらえていること、
そして壊れたら直そうと思ってもらえるうつわたち。
それを作った作家たちはしあわせですね。
わたしのうつわではないですが、その方の言葉を聞いてなんだか嬉しくなりました。


さて、わたしが別件で先生を驚かせたことがもうひとつ。

金液で描いたうつわは、すぐには乾かないため、包んで持ち帰ることができません。
いったんうすめ液で全部ふいて持ち帰ってから家でやりなおすしかないのですが

新発明!

d0123492_1852472.jpg


うつわの底に、ねりけしをつけて、箱の底に貼りつけるという手法を考えました!

d0123492_185525.jpg


先生が、「これは初めて見ました!新しいですね~!」
と笑ってました。

この手法を使う場面って、普通そんなにないと思いますが、
よかったらお試しください。^^






*****
[PR]
by kozakurapon | 2016-05-29 18:16 | わたくしごと | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://penguin10.exblog.jp/tb/23181228
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by たかこ at 2016-06-08 16:04 x
初めまして。
かわいいインコの食器からたどり着きました。
現在もお作りになってたり手元に商品がございますか?
出来れば黄色一色のインコでどのような食器があるか(価格等も)教えていただけませんでしょうか?お忙しいとは思いますがよろしくお願いいたします。
Commented by kozakurapon at 2016-06-09 00:46
たかこさま、コメントありがとうございます。
実店舗での作品の委託販売は現在ございませんが、ショッピングサイトのiichiでのみ、通年販売しています。
ハルクイン黄色なら箸置きや茶碗など作ったことはありますが、全身黄色はありません。
そして大変勝手ですが、 注文制作は承っておりません。

ただちょうど今、6月22日からの阪神百貨店鳥イベントに向けて箸置きや茶碗の絵付けをしていますので、
黄色いセキセイにも挑戦してみようと思います。描けたらブログに載せますね。

ツイッターやフェイスブックで、こまつか苗で検索してそちらからメッセージいただけたらやりとりができます。
あるいはこちらの鍵コメントで連絡先を書き込んでください。
DMの送付もできますのでお気軽にお問い合わせください。

Commented by たかこ at 2016-06-11 16:34 x
こまつか苗さま
ブログに出てくるのを楽しみにしてます!
iichiも拝見させて頂きました🎵
関東在住なため伺えませんがイベント楽しみですね。頑張ってください。o(^o^)o
Commented by kozakurapon at 2016-06-16 15:43
たかこさま、黄色のセキセイインコのうつわですが、今回うつわの新作が出せないかもしれません。
希望される方が多いのですが、はしおきや花瓶で力尽きてしまいまして・・・でも会期中に少しでも追加で搬入できるようにはしたいと思います。できるかな・・^^;
今回のイベントにはまにあわなくても、できたらiichiに出しますので、また告知しますね。