日本では、年末といえばなぜかベートーベンの第九の演奏が各地でおこなわれます。
今年で3回目になるのですが、三重県津市の四天王寺というお寺で、
「鼻笛第九」という催しがありまして、鼻笛仲間からお誘いを受けておりました。
年末の忙しい時に遠出はなぁと思ってましたら、
ダンナが意外にも行きたいと言い出しまして、思い切って行ってまいりました。
最近私のブログをご覧になった皆様にはわからないと思うのでご説明します。
私は1年ほど前に鼻息で音を出す楽器、「鼻笛」づくりに
ちょっとだけ挑戦したことがありました。
音楽、とくに器楽演奏にはまったく興味がないくせに
「鼻息で吹く」という非常にゆる~い感じがすごく自分のツボにはまりまして
オカンカーメン鼻笛などさまざまな鼻笛を作りました。
これはフランスの鼻笛愛好家Ukeheidi氏がオカン鼻笛で演奏してくれた映像です。
が、楽器というのはなかなか奥の深いものでして
ある基本的な部分をかなりきっちり作らないと、まったくいい音が鳴りません。
誰にでも音を出せるものを作るのは難しく、しばらく作るのはやめていたのでした。
本来ならば自作の鼻笛で参加したいところですが、私のは第九を演奏するには高音部が出にくいので
滋賀のRonさんの陶鼻笛を使うことにし、袋を作りました。
ダンナ用には南アフリカの鼻笛作家クリスさんの名作鼻笛「ボカリナ」の陶バージョン。
今回の鼻笛第九は、お寺のとなりにあるギャラリーで全国各地の鼻笛作家の作品を
実際に見て試奏もできるということで、楽しみにしていました。
会場は全国から来た愛好家でごったがえし、ピーピーと絶えず鼻笛の音が鳴り響いていました。
今回お誘いいただいた滋賀のRonさんも、新作ハガキ鼻笛をひっさげて参加されていました。
阪神間友の会の会長さん、さんぺいさんや、のこぎり・鼻笛奏者のひでじろうさんなど
関西からも知り合いの愛好家の方々が来られていました。
北海道や九州からも参加された方がおられて、びっくりしました。
ここで、有名な鼻笛プロ奏者のモスリンさんと初めてお会いすることができました。
第九演奏には使わないけれど、一応自作鼻笛を持っていっていたので
モスリンさんに試し吹き、アドバイスをいただきました。感激です。
陶鼻笛は難しいので、あまり販売できるものを作る人はいないのですが
山口県のHappyfluteの高山さんの陶鼻笛は音色、デザインの良さともに素晴らしいとのうわさで
一度現物を見てみたいと思っていました。
画面のピンク色の鼻笛が高山さんの作品です。
絵は別の方が絵の具で描いておられるそうです。
画面右の猫の絵の鼻笛は、伊勢友の会の西谷さん作。
非売品でしたが、私のペンギン鼻笛と交換してくださいました。
とてもいい音が鳴ります。
蜂の絵が描いてあるかわいらしい笛は、鼻笛ではありませんが、
リアルな鳥の鳴きまねができる、あぱっちさんの「鳥笛」。
鋭く息を吹き込み、底の穴を手で押えたり離したりすることで、鳥のさえずり音が出ます。
(うちに帰ってからポンタロウたちの前で吹いたらピキョピキョ大騒ぎが始まりました。(笑))
今回の展覧会では、鼻笛以外の面白楽器も出品されていました。
これはネコの人形の打楽器。タップダンスのように木彫りの猫が音を出します。
この楽器の作家、駄楽器Nekoyaさんは他にも、ネコカリンバや、オイル缶で作った弦楽器など、
かなりユニークな作品を出されていて、目をひきました。
夜になり、四天王寺の本堂に集まって第九の練習が始まりました。
私のように演奏が苦手な人は、主旋律のパートに紛れ込みます。(笑)
お寺の中なので写真は差し控えましたが、本堂はとても暖かく、休憩室も準備されて快適でした。
私たちは参加するだけなので気軽でしたが、準備はさぞたいへんだったかと思います。
ご住職や主催者のみなさんに感謝です。
演奏は鼻笛は3つのパートに分かれ、モスリンさんが指揮をとって行われました。
途中、歌手の方とモスリンさんの合唱や
他の面白楽器アーティストによる間奏も入り、とても楽しい演奏会でした。
面白楽器で特に私が聴いてみたかったのは、「ケロミン」!
テルミンという昔の電子楽器がありますが、
それをカエル人形の口パクで音程を調節して演奏できるようにしたものです。可愛い!
ほかに、マトリョーシカを使った「マトリョーミン」
トランペットとホルン?をつなげた不思議楽器、
のこぎり楽器など、バラエティあふれる楽器が演奏を盛り上げてくれました。
地元のテレビ局が来たり、市長からメッセージが来たりで
地元では話題のイベントになっているようですね。
全国の素晴らしい鼻笛を目にして
わたしももうちょっと頑張ろうかな、と思いました。
来年はもっといい音が鳴る新作オカン鼻笛で参加できたらいいなと思います。