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ペンギン・インコ陶つうしん

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昔のカイロ炭の使いみち

今の時期、使い捨てカイロはとても重宝します。
火も使わず安全。

しかし昔の携帯カイロは、小ぶりのメガネケースみたいな専用のケースに
専用の長持ちする炭(桐灰など)を入れてあたためる方式のものでした。
この炭、もう生産中止で今はデッドストックを探すしかありません。

京都の窯元では、この古いカイロ炭に水を加えて乳鉢で磨って、
絵付けのときに下絵を写す、転写のカーボンとして使います。

自宅で制作だと、これを使うほど同じ絵を大量に描くことはないのですが
時々、あったら便利だと思う時があるので、欲しいと思っていました。

なんとなくツイッターでつぶやいたら、Aさんが一箱ゆずってくれました。ありがとう!
それは東急ハ〇ズで売っている、海外のカイロ炭でした。
海外にもあるとは知らなかったのでびっくり。
しかも固いスティック状になっています。

昔のカイロ炭の使いみち_d0123492_134542.jpg


早速削り、磨って使ってみましたが、やはり固形にする段階で使う成分が邪魔するのか
まったく使えませんでした。残念!

またその話題をつぶやいていたら、今度はNさんが
古いものを持っていると、一箱送ってくれました。

そう、これこれ!!

昔のカイロ炭の使いみち_d0123492_13484453.jpg


日本のは、粉末を紙で筒状に包んだものです。
早速磨って、試してみました。(写真はガラス板で磨ってますが、普通は乳鉢を使います。)

昔のカイロ炭の使いみち_d0123492_13512742.jpg


使えた!!
オカンも描いてみよう。
裏からこすると・・(普通はタバコのセロファンとかラップでこすります。)

昔のカイロ炭の使いみち_d0123492_13533046.jpg


こんなふうに転写できます。これを下絵として直接絵付けをするのです。
カーボンは窯で焼けば消えます。
(上絵の場合はこれでおおまかな位置を揃え、それをたよりにさらに墨で下絵を描きます。)

昔のカイロ炭の使いみち_d0123492_13575092.jpg


ちなみに、有田の絵付け師はひょうたんを炭にしたものを使うそうで
ひょうたんを育てるところからやると聞いたことがあります。
同じように薄い和紙に炭をつけますが
たしか木の葉っぱでこするということです。

ひょうたんとか、木の葉とか・・・なんだかこう、昔風で素敵ですね。


カイロ炭は一生ぶんくらい貰いました。ご協力くださったAさん、Nさん、ほんとにありがとう。
はりきってたくさん絵を描きますね。^^
by kozakurapon | 2014-01-15 14:09 | わたくしごと | Trackback | Comments(2)
Commented by ぴーちゅ at 2014-01-15 23:37 x
炭が絵付けでこんな役割があるとは知りませんでした。
カイロと言ったら不織布にパウチされたものが馴染みなので
新鮮な驚きでした。

お探しのものが頂けてよかったですね。
これで創作活動にも気合が入ることでしょうね。
楽しみです!
Commented by kozakurapon at 2014-01-18 18:05
ぴーちゅさん、昔の人は手近なものを利用して
道具を手作りしていたのだと思います。
昔は1日100個以上は描かなくてはいけなかったので、
誰か考えたんでしょうね。すごいアイデアです。
今までは数が少なくてご迷惑をかけることも多かったですが、
まとまった数を能率的に描けそうです。