今の時期、使い捨てカイロはとても重宝します。
火も使わず安全。
しかし昔の携帯カイロは、小ぶりのメガネケースみたいな専用のケースに
専用の長持ちする炭(桐灰など)を入れてあたためる方式のものでした。
この炭、もう生産中止で今はデッドストックを探すしかありません。
京都の窯元では、この古いカイロ炭に水を加えて乳鉢で磨って、
絵付けのときに下絵を写す、転写のカーボンとして使います。
自宅で制作だと、これを使うほど同じ絵を大量に描くことはないのですが
時々、あったら便利だと思う時があるので、欲しいと思っていました。
なんとなくツイッターでつぶやいたら、Aさんが一箱ゆずってくれました。ありがとう!
それは東急ハ〇ズで売っている、海外のカイロ炭でした。
海外にもあるとは知らなかったのでびっくり。
しかも固いスティック状になっています。
早速削り、磨って使ってみましたが、やはり固形にする段階で使う成分が邪魔するのか
まったく使えませんでした。残念!
またその話題をつぶやいていたら、今度はNさんが
古いものを持っていると、一箱送ってくれました。
そう、これこれ!!
日本のは、粉末を紙で筒状に包んだものです。
早速磨って、試してみました。(写真はガラス板で磨ってますが、普通は乳鉢を使います。)
使えた!!
オカンも描いてみよう。
裏からこすると・・(普通はタバコのセロファンとかラップでこすります。)
こんなふうに転写できます。これを下絵として直接絵付けをするのです。
カーボンは窯で焼けば消えます。
(上絵の場合はこれでおおまかな位置を揃え、それをたよりにさらに墨で下絵を描きます。)
ちなみに、有田の絵付け師はひょうたんを炭にしたものを使うそうで
ひょうたんを育てるところからやると聞いたことがあります。
同じように薄い和紙に炭をつけますが
たしか木の葉っぱでこするということです。
ひょうたんとか、木の葉とか・・・なんだかこう、昔風で素敵ですね。
カイロ炭は一生ぶんくらい貰いました。ご協力くださったAさん、Nさん、ほんとにありがとう。
はりきってたくさん絵を描きますね。^^