展示作業のあいま、時間があいたときに
南極星のスタッフ、たゆさんが一緒についてくれて、観光を楽しむことができました。
たゆさんは若く、小柄でかわいらしい女性ですが、
学生時代からアジアに興味をもち、
NGOで活躍したあと南極星で働いているパワフルな人です。
当然インドネシア語はペラペラで、こまやかな配慮もしてくれて
非常に頼りになる人。たいへんお世話になりました。
いいお天気に恵まれた3日目の午前中、
編集長おすすめの芸術村「パサール・スニ」に連れて行っていただきました。
パサール・スニは、アンチョールというジャカルタ近郊の
海辺のレジャー施設の中にあります。
入口にはなぜかトーテムポールのようなもの。
インドネシアは広いので、トーテムポールのようなものを作る文化もどこかの島にあるのでしょう。
林のなかに木造のアトリエが並び、そのひとつひとつに
油絵、彫刻など、様々なアーティストが住みながら制作しています。
平日ということもあり、ひと気はなく、ついでに画家たちもいず、
作品はほったらかし。中に入って見放題、写真も撮り放題だそうで
万事おおらかで商売っ気ゼロでした。

油絵、とくに馬の絵が多かったなか、私が一番いいと思ったのは
この、ベニーさんという人の油絵。

戦車をよく見ると、花のモチーフで構成されています。
別の壁には各国の国旗が花で描かれています。

平和を願うベニーさんの気持ちがそれだけで伝わってきます。
花はサクラのように見えました。とても綺麗な絵。
戦争をしている銃口から
弾ではなく花しか出て来なくなったアニメーションを子供の頃に見ました。
今でも戦争を伝えるニュースを見るたびにそんな幻想を思い浮かべます。
戦車が銃口にハトがとまるような、ふわふわな花でできていたら。
残念ながらご本人は不在で、自画像しかありませんでした。
お会いできなくて残念でした。
南極星でもバザーに参加されたことのある木版画家、マンシュールさん。
彼もまた、奥さんの看病のために不在で会えませんでした。

版木と、いくつかの版画が展示されていました。
・・しかし、このレベルの絵画がこんな無防備に飾ってあって大丈夫なのかと不安になる。
ここは万事ゆったり、オープン。
切り文字を制作中のアーティストの工房には、ネコがたわむれる。

(インドネシアの猫は日本よりかなりやせていて小さく、あんまりずうずうしくありません。)
軒先にはカナリヤなどの小鳥のかごが吊られています。
陶芸家の工房も見つけました。これも本人不在。
週末には体験陶芸をするらしく、それらしい制作物がたくさん。
ついつい陶芸道具を見てしまう。
うえっ、私の嫌いなみぞがいっぱいある電動ろくろ。(笑)
このみぞ、泥がたまると洗いにくいから嫌いなのだ。

窯は立て扉式で使いやすそう。

蹴ろくろは手製かな。乗り物みたいでちょっとかっこいい。

あずまやの軒先には陶製の風鈴。
こういうオープンエアで陶芸するのも素敵。天気のいい時は、だけど。
パサール・スニを出て、時間が余ったので、野生のインコを何とか見たいと
近くの公園に行きました。
昼近くなるとさすがに暑くなってきて、ドバトも砂浴び。
(インドネシアは鳥好きが多く、レース鳩もさかん)

インコらしき声はすれども姿は見えず。
今度来るときは双眼鏡持ってこなくては。
暑いし、鳥もいないので帰ろうかと思い始めたとき、
なんと飛翔ショーのトレーニング中のコンゴウインコ(まだ若鳥)に遭遇!

かわいい!

威嚇されつつも、手に乗せてもらう。
おとなしくしてくれたので、「テレマカシイ(ありがとう)」と言うと
トレーナーさんが「サマサマ(どういたしまして)」とインコの手をふってくれた。
野生のインコは見れなかったけれど、これでおなかいっぱい満足な気持ちで
アンチョールをあとにしました。