ジャカルタでよく見られる乗り物を
本多トモコさんがポストカードに描いています。
かわいいです。まさにこんな感じです。
バスは、観光バスのような立派なものもありますが
ちょっと小ぶりで、板金や塗装などが手作り感たっぷりなバスがよく走っていました。
これは主に地元の方たちの交通手段。
タクシーは、このイラストにある「ブルーバード」というタクシーがもっとも信頼できるタクシー。
観光客、日本人はこのタクシーを使うのが一番いいです。
一番下のカード、なつかしいオート三輪に似た可愛い乗り物、
これがジャカルタ名物「バジャイ」(この絵は赤バジャイ)です。
バジャイは赤と青の2種類あり、インド製。
赤のほうが古く、1976年から1981年まで製造され、今は作られていないので
今走っている車体はどれも30歳を超えています。
混合ガソリンを使っていて、窓はガラスがなくオープンなため、
乗っているとその匂いが臭い。音もうるさい。
ただ、修理部品が非常に豊富なうえ、メンテが簡単で丈夫なのだとか。
自動車とは違う解放感や、素朴なつくりが旅情をかきたてます。可愛い。
青バジャイはこれ。赤よりぐんと新しく、LPGガスとガソリンの併用で
匂いも少なく静か。
青バジャイは、かしゅうさんとアアットさんと3人で夜、食事に行ったときに乗りましたが
女性3人乗っても余裕のある広さで、夜風が心地よく快適でした。
赤、青ともに運賃は最初に運転手と交渉して決めるため、
言葉ができないとボッタクリの危険があります。初心者向きの乗り物ではありません。
南極星の誌面でバジャイのことを知ってから、
いっぺん乗ってみたいと思っていましたが
今回の旅では幸運にも赤、青両方に乗ることができました。
展覧会にマレーシアから友人夫婦が来てくれた夜、食事に行くのに
タクシーをなかなかつかまえることができませんでした。
ご主人はインドネシアにもよくお仕事で来られていて、バジャイも乗り慣れているので
ちょうど走ってきた、赤バジャイに乗ることになりました。
青は前日にかしゅうさん達と乗れたし、連続で乗れてラッキー!
乗りこむとさすがに青よりはせまい。
おとな3人プラス運転手さんだと重くて、ちょっとバジャイも苦しそう。
ジャカルタでは、自家用車で自分で運転する日本人は、なかなかいないのではないでしょうか。
というのは、交通ルールが超おおらかなのです。
ちなみにバジャイの運転手は運転免許がいりません。
バジャイを所有している会社のオーナーが運転手を選べばそれでよいらしい。
(自動車はちゃんとSIMという運転免許証が必要です)
私たちが乗った運転手は、3人も載せて重いので
エンストを怖れてか絶対止まりたくないらしく、
すきまさえあればつっこんでいく!
側溝に片側車輪をわざと落として、前に出ようとする!!
昔、ルパン三世のオープニングで、メンバー4人が乗った車が
天井がとび、ドアがなくなり、最後はハンドルとタイヤだけで走るシーンがありましたが
なんかそうなるんじゃないかとふと思ってしまうような運転っぷり。
ほぼノンストップで、ぶんぶん飛ばして目的地のスナヤンに到着。
降りたときは、テーマパークの乗り物から降りたときのような解放感。(笑)
スリリングでしたが、楽しかったです。
*****
今回、わたしはひとりでタクシーなどの乗り物に乗ることはありませんでしたが
やはりどこの国でも、女性がひとりで乗るときは、危険を避けるための工夫が必要です。
かしゅうさんとアアットさんと3人でタクシーに乗ったときのこと。
ブルーバードではなく、認定外のタクシーしかつかまりませんでした。
ずっと運転手に話しかけ続けるかしゅうさん。
(かしゅうさんはインドネシアの大学で博士論文を書いたほどインドネシア語はペラペラ)
タクシーを降りて、教えてもらったのですが
タクシーをとめたとき、運転手の人相が凄く悪かったのが気になって、
あえてサッカーの話題などをふって、しゃべってコミュニケーションをはかったそうです。
ちなみに人相がわるかったのは
歯が痛かったから らしい。(笑)
途中、アアットさんがインドラマユの方言でしゃべるのを聞いて、運転手は同郷だとわかり、
さらになごやかなムードに。
コミュニケーション能力(言語力)が、危険から身を守る力になることをあらためて実感。
言葉がペラペラで3人いても決して油断せず、安全に気を配るかしゅうさんの慎重さに
海外で生きていく女性の強さを見た思いがしました。
マレーシア在住の友人も、認定タクシーでさえひとりで乗るときには
車体番号をご主人に写メで送り、その姿を運転手に見せることで安全を確保しているとか。
日本でここまでやる必要はありませんが
スキだらけの漫然とした態度が、犯罪を誘発することはあると思います。
自分の身を守る意識はどこにいても必要だなとあらためて感じました。