NOMAMISE2018春、初日。
昨日までの暖かさは何処へやら、小雨がパラつき、風も強く、
相当寒い1日となりました。
そんな天気をものともせず、
開場前からギャラリーの前で待っておられたお客様、ありがとうございます。
百貨店みたいに人が殺到することはないのですが、
ごくたまに、同じものを狙って来られる方がいらっしゃるので
どうしてもというものがある時は、
そんなに頑張って一番乗りしなくていいよとは言えません。
おかげさまで、結構隙間が空いた感じになりましたので、
明日はNOMAに合うと思われる、
この、キングペンギンヒナのハタキ入れを持って行こうかと思います。
小豆島に転居のため、今回を最後にNOMAMISE メンバーを去る、画家の松本宏さんと池上夏生さん。松本さんもだけど、池上さんは20代半ばから数年間、一緒に美術の基礎を学んだ友達です。
圧倒的な実力というのは、横にいるとよくわかるので、つい比較してしまい、自分のやりたいことやできることを見失いそうになることもありました。
でも、作品に対する真剣な姿勢や、繊細な感性、素晴らしい集中力。第2の思春期ともいうべき、中途半端な若さを持て余す20代後半の辛い時期に大きな影響を与えてくれた人。
↑上が池上夏生さんの絵。下が松本宏さんの絵。
夫婦で小豆島に移住すると聞いて、驚きはしましたが、なっちゃんらしいなと思いました。古い家を借り、時間をかけてこちらと半々、通いながら地盤をつくり、この春、松本さんの高齢のお母様と一緒に、完全移住。
あちらの生活は、自給自足が基本。お風呂を焚き、野菜を育て、貝を掘り、田舎はご近所との繋がりもあるので、結構やることがあって忙しい。
驚くべきことに、一人暮らしになって認知症が進行し、歩くのも困難になっていた高齢のお母様が、あちらに住むようになって自分でいろんなことができるまでに回復してきたというのです。
面倒かもしれないけれど、生きるための仕事があるのは人が健康に生きる上で、とても大切なのですね。
若い移住者も多く、結構子どもが周囲にいるらしく、あちらでも、夏生さんたちは長年子どもたちに絵画教室で向き合ってきた経験を活かして何かできるのではないか、ということ。
丹念に積み重ねてきたことが、新しい道を示しているのです。
私のインコ侍本を小脇に抱えた(笑)夏生さんと、NOMAの前で別れました。
私が右手を差し出し、握手を交わすとなつおさんはそっと私を抱き寄せました。
今はSNSで繋がっているし大切な友達であることに変わりはないので永遠の別れというのは大げさかもしれない。
でも、私は転勤族なので、子供の頃から数年おきに明日には会えるような感じで別れて、もうたぶん一生会うことはない別れを体験してきました。
これがひとつの区切りであることは確かです。
一生のうちで、濃厚な時間を共にした。それぞれに選んだ道を、精一杯生きていく。別れの春です。
追記
追加納品の準備中、ふと思い出しました。夏生さんと2011年にNOMAで開催したふたり展「トリヤラネコヤラ」でコラボ制作した作品も記念として非売で展示しようと思います。
(*´-`)