今回は会場の奥半分を使って、2年前コロナ禍真っ只中に亡くなってしまわれた、バティック作家の賀集由美子さんの私的追悼企画展示をしました。
スタジオパチェの賀集由美子さんは、インドネシアのチレボンというバティックの産地にて染色工房を主宰。私とはペンギンアート展で出会い、
私はオカンカーメンの布製品グッズを、賀集さんはペン子ちゃんの陶製品を。
それぞれあったらいいなを形にしあう仲でした。
面白いことが大好きでゆるさを好む気さくな人柄。
でも作品は本格的で仕事も段取りが早く、本当に凄い方でした。
インドネシアにはいないペンギンモチーフをバティックに使ったのは、
おそらく彼女が最初でしょう。
スタジオパチェのペンギンモチーフが入ったバティックの他に、
インドネシアのバティック界では人間国宝のような、
賀集さんの師匠カトゥラさんによるペンギン入りバティックも展示しました。
バティックの伝統紋様の中にさりげなくペンギンモチーフが受け継がれていくなら、賀集さんがバティックの中に永遠に生き続けていけるような気がしてなりません。
今回は、私が賀集さんに作ってもらった、オカンカーメンゆたぽんカバーなどの、名作オカンカーメン布製品を展示。
スタジオパチェの元職人で、今独立しているアリさんに頼んで、縫製も当時の職人さんにお願いして、昔のコースターの復刻版を作ってもらいました。
アリさんは若い女性なので、なんか私の原画より可愛い。(笑)
トリビュート作品として、私が完成させたかった、
ペン子ちゃん入りの赤い鶏の器。
タイを中心に食堂や一般家庭などで使われている安価で可愛い器。
大量生産が産んだ、削ぎ落とされた用の美が美しい器です。
実はジャカルタでのトリビュート作品展でもいくつか作ったのですが、
もうひとつシンプルにデザインできてなかったので、
今回が完成形。これで良いよね賀集さん!
そばちょこと薬味入れ、あるいはお湯呑みと菓子皿などに使える器です。
本人に見せたかった。
バティックは手描きのほかに、チャップというスタンプ型を使った手法があり、
私も型を使って服などを作ってもらってました。
型染め業者の方からオカンカーメンの銅製金型を返してもらったので、
黒土に型を捺して白化粧を埋めて削り出し、オカンタイルを作ってみました。
平均的に型をおすのが大変難しく、いい勉強になりました。
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個展を終えて。
コロナ禍の行動制限がなくなり、ようやくお会いできた遠方の懐かしい方。
実際にお会いするのは初めての方、通りがかりで入られたインコ好きの方。
お客様同士で仲良くなって、またこまつかさんの個展で会いましょうと別れる方たち。
両親や友人、元同僚など、本当にたくさんの方に集まって頂きました。
たくさんの方に見守られ、今の自分が存在しているのだと改めて感じる機会でした。これからも新しい挑戦を続けていこうと思います。ありがとうございました。
ひとつお詫びです。
搬出が遅くなりまして、11日発送が間に合わなかったので、お取り置きさせて頂いた作品は一度私の元に戻ってから14日水曜発送の予定です。お待たせしてすみません。
次の展示は、お世話になっている西宮のギャラリーアライさんの30周年記念展です。
他にギャラリーゆかりのたくさんの作家さんが出展されますので、
私の作品は桃太郎の陶人形が1点のみになります。
ご興味のある方は覗いてみてください。