今日、昨日注文した陶材料が届きました。
京都で陶芸の仕事してる人はみんな知ってる店で、
陶専門の筆も置いてあります。
京都で陶器用の筆つくってる店は1軒で、陶だけの筆屋ではないのですが、ほぼ全部の京都のやきもの屋は、ここのを使っていると言ってよいでしょう。
筆屋さんは数年前に制作を担当していた奥さんを病気でなくされて、営業や配達中心だっただんなさんが一人で制作と営業をやっているそうです。
後継者はありません。
最近は入退院をくりかえし、いつも人気の品は品切れ状態。私の欲しかった筆もありませんでした。
ほかの筆屋のをみんな試しはじめていますが、稲本さんの筆ほど安くて使いやすいものはみつからないようで。
他にも伝統的な材料で入手できなくなったものは多いです。
昔なら安くてどこでもあったものを、需要の減少、後継者不足でつくる人がない。
茶道具の桐箱を入れるダンボール箱つくる職人もいないみたいですね。
前の職場では80代のおじいさん職人ひとりが頼みの綱でした。
そりゃすごい神技です。
茶道具の桐箱は、できた製品にあわせて全部寸法が違うので、
それにあわせて、それこそきつくもなくゆるくもなく、きっちりの寸法でダンボール外箱をつくるのです。たかがダンボール、されどダンボール。
でももちろん後継者なし。
食べていけないから。
地味すぎるけどなくてはならない手仕事はお金にならず、人間国宝にもなれない。
ほかの窯業地でも同じなんだろうな。
ただ京都の場合、使い慣れてきたものへの信仰みたいなものがある気がします。
もっとこだわらず、いろんな現代の素材や他の土地のやりかたをとりいれてもいいんじゃないかとは思います。
写真左から、稲本文華堂製のサバキ、金筆、茶軸、巻き軸。どうだ、三ちゃん、chica、懐かしいだろ~!