今年も個展のことで頭がいっぱいで
花見もろくにせず工房を往復しておりました。
たまにゃお出かけもしないと!
陶芸教室の仲間4人で遊びにでかけました。
といっても仕事がらみだったりします。
秋に予定している「じぶんでたべる」展のために・・・
最近組合の有志でユニバーサル食器の開発をされているという
兵庫県の丹波焼(立杭焼)の里まで日帰りで行ってまいりました。
丹波焼というのは日本六古窯(にほんろっこよう)のひとつ。
平安時代末期からの800年の伝統ある産地です。

中心施設「陶の郷」(すえのさと)から見た立杭の里。
新緑が美しい・・。とても静かでいいところです。
この施設の中には窯元横丁というものがあり
各窯元がそれぞれ2畳ほどのおしゃれなブースを持ち、商品を展示しています。
お客さんはカゴのなかに気に行ったやきものを自由に選んで入れ、
出口のレジに持って行って清算します。
これとてもいいアイデアですよね。
窯元はほんとにたくさんあります。
大きい道ぞいは有利ですが
奥のほうの窯元にはなかなか買いにきてもらえない。
またお客さんのほうも
窯元まで行ってしまったら手ぶらでは帰りにくい。
これなら時間がないときはここですべての窯元の代表的な作品が買えて
窯元めぐりをする人はここで目星をつけて行けますからね。
うつわは売るほどあるのに
どういうわけか買ってしまうんだな~私は。
しかしね、これすごくいいですよ!

ぼわっとでた白化粧の美しさ、迷いのない線。

これは同じ色目のものがなかったのでひとつだけ購入。
とても上品なデザインです。
このうつわは「丹山窯」のもの。(なんとひとつ500円!ありえない!)
この窯元チェック!窯元横丁のパンフレットに〇をつけました。
ほかに〇をつけたのは、
「末晴窯」「かねと窯」「たさうら」「丹波〇一窯」、
陶工専門校の同級生のT君の窯、「丹水窯」。
そうそう、この窯元横丁には「丹波ユニバーサルデザイン食器」のブースもあるんです。
窯元の有志9名ほどが参加して、
デザイナーの方にアドバイスをうけながら研究されたそうです。
ただ、実際に見て、あとでパンフレットを見てわかったのですが
ここのシリーズは私たちが作ろうとしている自助食器というよりは
多機能、多用途、収納性という機能を持ったうつわを研究されたものでした。
ちょっと狙いははずれたようです。
しかし、写真は撮ってませんが、展示されてたなかでいちばん
これ面白い!と思ったもの・・・カップの口に小さな穴があり、
そこにストローを挿せるカップ。なんとまたまた丹山窯さんのものでした。
なんかもう、こりゃご本人に会いにいくしかありませんね。
丹山窯さんは「おみの木」というアベマキの巨木のそばにありました。
丹波といえばのぼり窯。

なが~い!
これぞ陶芸って感じですね。
丹山窯さんの窯場にはのぼり窯で焚いた植木鉢や壺や徳利がごろごろ。
奥のうす明るいあかりの下で、蹴ろくろをあやつりながら
黙々と大きい植木鉢を作る80歳ちかい職人さん。
この方はここのおじいさまで、
私が買ったうつわの作者さんはその息子さんだということです。
おじいさまはなんというかとても味のあるいい方で
のぼり窯を見せてくださったりして楽しい時間を過ごしました。
息子さんは今日は陶芸教室の日でお留守でした。残念!
そのあとユニバーサル食器研究の世話人をされているという
炎丹久窯さんに行きましたがお留守。
アポなしだから当然ですね。
次に窯元横丁で〇をつけたかねと窯さんに向かいました。
ここはとても芸術性の高い花器や食器があり、
見ごたえがありました。お店もおしゃれです。
ご主人はとてもいい方で、丹波ユニバーサルデザインのことをお聞きしたところ
組合まで電話までしてパンフレットを取り寄せてくださいました。
そのとなりが私の同級生で窯元の息子さんのTくんの実家、丹水窯。
私は絵付けの図案科、彼は成形科だったので
特別親しかったわけではありませんでしたが
覚えていてくれて話がはずみました。もう10年以上たつんだね~。
「じぶんでたべる」展の企画書を丹山窯さんに渡してくれるということになりました。
こちらのユニバーサルデザインとは内容が違うので
参加してもらえるかはわかりませんが
自分とまったく異なる才能の方と
同じ課題で仕事をするのはとても刺激のあることです。
共感いただけたら嬉しいと思います。
次回は丹波で偶然見つけた
自分と同じ匂い(動物好き)のする、しかも上手!な
作家さんとその作品を紹介します。
ペンギン陶発見だ!